有馬の歴史も学べる!
見て触れて、作って遊べる玩具博物館
有馬温泉でもっとも古い旅館である「御所坊」15代目の金井啓修さんとグリコのおもちゃデザイナーを務めた加藤裕三さん、オートマタ作家である西田明夫さんの3人が玩具への想いを込めて設立された有馬玩具博物館。6階建ての建物の中には木製玩具とオートマタを中心にテーマごとにまとめられた玩具がぎっしり。「博物館」といっても眺めるだけでなく、実際に触れて遊ぶこともできるのが嬉しいところ。
また、筆のお尻から豆粒サイズの人形がひょこっと現れる姿がかわいい有馬人形筆の工作体験もでき、有馬の歴史にも触れられます。今回はそんな有馬玩具博物館の魅力をラジオ関西の朝の顔、三上さんが体験!

有馬温泉でもっとも古い旅館である「御所坊」15代目の金井啓修さんとグリコのおもちゃデザイナーを務めた加藤裕三さん、オートマタ作家である西田明夫さんの3人が玩具への想いを込めて設立された有馬玩具博物館。6階建ての建物の中には木製玩具とオートマタを中心にテーマごとにまとめられた玩具がぎっしり。「博物館」といっても眺めるだけでなく、実際に触れて遊ぶこともできるのが嬉しいところ。
また、筆のお尻から豆粒サイズの人形がひょこっと現れる姿がかわいい有馬人形筆の工作体験もでき、有馬の歴史にも触れられます。今回はそんな有馬玩具博物館の魅力をラジオ関西の朝の顔、三上さんが体験!



温泉街の湯本坂の始まりにある有馬玩具博物館。1階にはショップと工作体験ができる工房になっていて、さっそく有馬人形筆の工作体験をしてみることに。講師は近くにお店を構える灰吹屋西田筆店の西田健一郎さん。江戸時代から続く有馬の老舗です。
有馬人形筆は筆先を下に向けると、小さな人形がひょこっと飛び出すからくり筆。室町時代に誕生し、450年以上もの歴史があります。子宝授与や安産の縁起物として有馬の名産品となっていますが、現在作っているのは西田筆店さんのみ。「生きてるうちは伝統を守っていきたい」とお話してくれました。工作体験では人形の絵付けとからくり部分の仕組みを西田さんに教えてもらいながら作っていきます。



「なに描こうかな…小さくてむずかしいなあ」と悩む三上さん。
見本の人形を見て「フクロウかわいいな~、真似しよう!」
と決めてからは真剣モードに。

人形の絵付けが終わったら、針金に紐を括り付けて筆の中へ。紐には重りが付いていて、重りが動いて人形が飛び出す仕組み。紐の長さや括り付ける箇所がとてもシビアで「これはむずかしい!!」と四苦八苦している三上さんに西田さんが手助け。



「さしすせそ…サ行もとい作業は細かくて大変だったけど、ぴょこっと出てきてかわいい!」と笑顔の三上さん。絵付けと仕組みの工作で1時間。「いい感じですね~。ぜひ使ってください」と西田さんからもお褒めの言葉をいただきました。
大人も夢中になる、
ドイツの伝統的な木製玩具のフロアへ。



工作体験を終えて、約4000点の玩具が集まる展示を見学。階ごとにテーマが分かれていて、一番上の6階から順番に降りて回るのがオススメなのだそう。フロア入口には玩具博物館設立までのストーリーと資料が展示されています。
6階はドイツ東部のエルツ地方の伝統的な木製玩具が集められ、「わあ、これは圧巻だ」と三上さんも感嘆の声を上げる展示の数々。伝統的なろくろの技術で生み出された、木のぬくもり溢れるやわらかな雰囲気の人形やジオラマにしばし時間を忘れて見入ってしまいます。以前は3Fに大きなジオラマがあったものの縮小してしまいましたが、メルクリン社の鉄道模型もあり「Oゲージだ!軌間が32mmなんだよ」と鉄道好きの三上さんも大喜び。


金太郎飴のように作られているろくろでの制作工程も目で見てわかるのが嬉しい展示。炭鉱やノアの箱舟のジオラマからマッチ箱に収まるミニチュアまで見どころ満載です。


大小さまざまなくるみ割り人形、中にお香を置くとタバコを吸っているような煙出し人形など、ヨーロッパならではのデザインに「これは大人でもたまらないな」と写真に収める三上さん。写真撮影OKなのも嬉しいところ。

エルツ地方は炭鉱が多く、円形のモチーフはトンネルを表しているのだそう。キャンドルの明かりで陰影ができて幻想的な工芸品の数々。
触って遊べる玩具や現代の木製玩具や
ぬいぐるみが並ぶ5階へ。



5階は現代のおもちゃのフロア。オブジェのようなカラフルな知育玩具や帆船模型、本物の動物に忠実ながらかわいらしさも追求したKOESEN社のぬいぐるみなどが展示されているほか、触って遊べる玩具もいっぱい。「これ、昔よく遊んだよ。懐かしいなあ」とボールを2本の棒を開いたり閉じたりすることで落とさないように動かすボール落としゲームで遊んでみる三上さん。プレイスペースには大きなサイズの木製玩具やシンプルながらも何度もトライしてみたくなるおもちゃ、積み木が揃っていて、もっと遊びたいと帰りたがらないお子さんも多いのだとか。
また、博物館設立の大きなきっかけとなったおもちゃデザイナーの加藤裕三さんの代表作であるグリコのおまけのおもちゃも展示されています。

ヨーロッパの木製知育玩具は小さな子どもでもわかりやすいように色の三原色に森の緑を加えた着彩が基調。カラフルながら木材に馴染んで落ち着いたトーンでぬくもりがあります。

実際におもちゃに触って遊べるプレイスペース。上からボールを転がすと心地良い音が鳴って楽しい大きな木製玩具や大人でも楽しめるおもちゃもたくさん。「最高の遊び場だなあ」と三上さん。
イギリス発祥のからくり人形、
オートマタが楽しめるフロアへ。



4階はイギリスで生まれたからくり人形の現代オートマタ作品を集めたフロア。シンプルな機械仕掛けでハンドルを回すと歯車や重り、磁石などで人形たちがユニークな動きを見せてくれます。その動きにはユーモアやシニカルなストーリー性が盛り込まれていて、世代を超えてその魅力に引き込まれます。初代館長を務めたオートマタ作家の西田明夫さんの作品も多数展示。ボタンを押すと実際の動きが見られるものが多く、「全部見たくなっちゃうね」とボタンを押す三上さん。コミカルなものからブラックユーモア、ハートフルなものと作家によって作風が全然違うのも面白いところ。
博物館を後にする頃には、まるでたくさんの映画を観た後のような気分に。「知的好奇心がくすぐられて、年齢を問わず楽しめる場所。またじっくり観に来たいね」と三上さんも大満足!

時間帯ごとにスタッフがオートマタの実演をしてくれることも。説明を聞くと、より面白さや魅力が伝わり、三上さんもオートマタの動きに夢中に。


常設で国内外の現代オートマタ作家の作品を一同に見られるのは有馬玩具博物館ならでは。博物館のために製作されたというパーカー人形や国内のからくり人形も。
情緒溢れる有馬の温泉街と
おもちゃの世界が一緒に楽しめる!



「有馬玩具博物館、楽しかったな~。建物を出たら温泉街なのも風情があっていいよね。春は太閤橋のところにある枝垂れ桜がきれいなんだ。そういえば有馬温泉駅も今年2月にリニューアルしてきれいになったんだよ」と三上さん。さすが神戸の情報通です。
有馬玩具博物館のすぐ近くには有馬人形筆の西田筆店もあり、有馬温泉金の湯も。無料で足湯を楽しめる場所もあり、日帰りでも温泉街をゆっくり楽しめます。「人形筆づくりは細かくて大変だったけど、有馬の歴史をよく知る西田さんとお話できて、かわいい人形筆をお土産にできていい体験になりました。博物館の成り立ちも素敵で、展示も素晴らしかった」と話す三上さん。
有馬とおもちゃの魅力が再発見できる有馬玩具博物館、ぜひ皆さんも遊びにきてください!

「いつ来ても雰囲気があっていい街だなあ。こんなにアクセスのいい温泉街ってそうそうないですよ」と今日一日を振り返って。
この日の三上さんのスケジュール
有馬玩具博物館(有馬人形筆の工作体験→館内見学)→有馬散策
ツアー概要
環大阪湾 人形芸街道
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有馬玩具博物館
- 実施日:通年(10:00~17:00最終入館16:30)
- 料金:大人(中学生以上)1,000円、子供500円
- 有馬人形筆 工作体験(要予約)5,000円
- (入館料込)対象:小学生以上
- 所要時間:約2時間
- 住所:神戸市北区有馬町797
- 電話:078-903-6971
- http://www.arima-toys.jp/
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まずはさっそく!450年の歴史あるからくり筆、
有馬人形筆の工作体験。